(がん関連情報)~がんの症状

 NMさんのこの考えはまったく正しい。がんによる症状が出たとしても、それが命に関わることになるのは、本当の最期の状態になってからがほとんどである。

 がん患者であるか否かにかかわらず、ほとんどの人が、がんは命に関わる病気だから、体に少しでも負担になることは避けなければならないと考えているだろう。しかし、決してそんなことはないと断言できる。多くのがん患者は、がんを持ちながらもほとんど症状がない。また、ちょっと無理をしたくらいですぐに命に関わるような状態になることも、絶対にない。 

 がんは、生体にできたこぶである。問題は、そのこぶが悪性だということである。悪性であるために起こることは、周囲の組織を壊しながら大きくなることと転移することだ。

 このようにして大きくなるがんだが、たとえばがんが腸などの消化管をふさいでしまうことにならなければ、吐くことや腹痛などの腸閉塞の症状は出ないし、また、肺にがんがあっても、気管支をふさいでしまうようなことや肺をつぶしてしまうようなことにならなければ、ひどい咳や呼吸困難などの症状も出てこない。

 転移で怖いのは脳と骨への転移である。脳転移は、脳卒中と同じ症状を起こす。つまり、頭痛と麻痺、意識障害などである。けいれんが起こることもある。

 さらに骨への転移は、第一に激しい痛み、つぎに骨折を起こす。それ以外にも、がんは体中どこにでも転移する。しかし、骨と脳以外では、そこに転移が起こったからといって、すぐに症状が出るということはほとんどない。

 肺に転移が起こっても、咳や痰、ましてや呼吸が苦しくなるなどの症状は、よほど進んだ状態にならないと出てこない。肝臓も同じである。肝臓に転移が無数にできて、もとの肝臓の半分くらいの部分が転移で占められることになっても、まだなんの症状も出ないことが多い。

 だから、転移が見つかったから、すぐに終わりだということもない。

 いずれにせよ、がんによって起こってくる症状がなければ、その人の生活が脅かされることはない。まったく通常の生活ができる。通常は、がんが発見されずに育っていても、あるいはがんが治りきらずに残っていても、なにも具合の悪いことはないことが多い。

 がんと言われて具合が悪くなるのは、ほとんどは気持ちのせいだと言っていい。

 それまでなにも具合の悪いことのなかったひとが、検診でがんが見つかった途端、具合が悪くなることがある。これは、どう考えてもおかしい。がんという診断名がついただけなのである。それだけで、具合が悪くなってしまう。これこそ気持ちの問題であることを示すなにものでもない。

 つまり、がん患者だからやっていけないということは、なにもない。がんに対する誤解で最も多いのは、このことである。がん患者は、栄養を取り無理をせず安静にしていないといけないと考える。これは、がんを恐れるあまりに起こる、最も初歩的で根本的な誤解である。

 NMさんには、家族の消極的な態度に対して、必ず言うことにしている言葉がある。
「もし、私がやりたいと思うことをやらせてくれなかったり、私が行きたいというところに行かせてくれなかったら、私が死んだ後に後悔するのはあなたたちよ」

※このブログが本になりました。「がんになって分かったこと~さまざまながんの素顔と元気な患者たち」という書名で、文芸社からの出版です。ネット販売もしています。

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