治療させてもらえなかった乳がん(SIさんの場合)~大きくなる乳房のしこり

 55歳になったばかりのSIさんは、右側の乳房のしこりに気づいた。小さいが固いしこりだった。

「これが乳がんなのか」と考えたが、こんなことで騒ぎ立てると夫がまた怒りだすだろうと思い、そのままにした。夫は、なにごとも自分を中心にしてしか考えられない性格の人間だった。

 その後、ときどきしこりを触ってみたが、あまり変わりはないようだった。

 それから1年ほど経った。乳房のしこりは大きくなっていた。乳房を触ると固いしこりがあるのがすぐに分かった。以前はこんなではなかった。しこりがある以外に痛みもなにも症状があるわけではないが、夫には内緒で大学病院へ行くことにした。

 担当医は触診をして、すぐに言った。
「乳がんの可能性が高いと思います。しこりに針を刺して、細胞を取ってみます。それでがん細胞が見つかれば乳がんと診断できます」

 担当医は続けた。
「それから、超音波とマンモグラフィ、それにCTの検査もやってみます。よろしいですか?」

「はい。お願いします」
 すぐにそれらの検査の予約をした。

※このブログが本になりました。「がんになって分かったこと~さまざまながんの素顔と元気な患者たち」という書名で、で、文芸社からの出版です。ネット販売もしています。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック