がん友(MYさんの場合)~恐れていた子宮がんの診断

 それにしても出血はひどくなっていた。当てたパッドはすぐ真っ赤になった。痛みも出てきた。

 主治医は、診察するとすぐに言った。
「MYさん、よくここまで我慢しましたね。とにかく、すぐに入院して血を止めなくては」

「先生、私の病気はがんじゃないんですか?」
 MYさんは、最も心配していたことを主治医に聞いた。

「可能性はありますね。とにかく入院して治療しながら結論を出しましょう」

「分かりました。よろしくお願いします」

 入院して輸血と点滴治療が始まり、やっと出血は止まった。

 そして入院の翌週、主治医が検査の結果をMYさんに伝えに来た。
「MYさん、やはり子宮がんですね。頚部がんです。がんを治さないと出血は完全には止められません」

 MYさんは聞きかえした。
「がんですか。じゃあ、治療はどうなりますか?」

「そうだね。手術ができればいいが、がんがあんまりにも大きいから、残念ながらここではできない。でも、手術するよりも放射線治療がいいかもしれないよ」

「えっ、じゃあ私はどこで治療を受けることになるんですか?」

「うーん、そうだな。大学病院へ連絡してみる。引き受けてもらえればいいんだがね」

 やはりがんだった。しかも、かなり大きいので、ここでは治療ができないという。大学病院で断られたらどうしようもない。このまま出血多量で死ぬかもしれない。MYさんは、この時初めて死を意識した。

 翌日も、その翌日も出血と痛みは続き、回診の時にも主治医からは何も新しいことは聞けなかった。このままでは本当に死んでしまう。
「先生、何とかして下さい」
 回診で来た主治医に、MYさんは悲鳴に近い声で迫った。

「そうだね。でも、大学からの連絡を待つしかないんだ」
 主治医は苦しそうに言った。

 その数日後、主治医がやっと新しい知らせを持って来た。
「大学病院で至急送れと言ってきた。救急車で送るよ」

 入院してから、すでに半月が経っていた。

※このブログが本になりました。「がんになって分かったこと~さまざまながんの素顔と元気な患者たち」という書名で、文芸社からの出版です。ネット販売もしています。

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