(がん関連情報)~子宮がんにも2種類がある

 子宮がんと一口に言っても、そこには性質の違う2種類のがんがある。つまり、子宮がんには、子宮の入口の頚部にできるがんと胎児が育つ場所である子宮体部にできる二つのがんがある。

 これは肺がんに、空気の通り道の気管支にできるがんと、出入りする空気で膨らんだり縮んだりする肺そのものにできるがんの2種類があるのと似ている。組織型と言われるがん細胞の顔かたちも肺がんと似ている。出入り口に近い気管支にできるがんと子宮頸部にできるがんは、同じように扁平上皮がんと言われるがんがほとんどであるのに対して、肺そのものにできるがんと子宮体部にできるがんは腺がんと言われるものである。

 そして、この二つの子宮がんの原因はまったく違う。

 子宮体部がんの発生には女性ホルモンが強く影響する。妊娠中は女性ホルモンが出ないので、妊娠の経験が多いほど女性ホルモンの影響は少なくなる。つまり、その分、子宮体がんの発生の可能性が少なくなるのである。反対に言えば、妊娠の経験のない女性ほど子宮体がんの可能性が高くなるということになる。つまり、尼さんは子宮体がんになる可能性が高い。

 一方、子宮頸部がんは、ホルモンとは関係なく、ウイルスが原因である。つまり、伝染するがんなのである。このウイルスは皮膚のいぼの原因となるウイルスと兄弟のウイルスで、誰でも持っている。従って、誰がどこで感染してもおかしくないのである。ただし、子宮頚部への感染は性行為で起こる。

 そして、最も問題なのは、子宮体がんが他のがんと同様に発生のピークが60歳以降にあるのに対して、子宮頸がんの発生は40歳頃がピークであることだ。20代から発生が始まる子宮頸がんは、若い世代にがんの発生が多いため、本人と家族にとって問題であるばかりでなく、ちょうど子作り・子育ての世代に発生が多いことになるので、たとえがんが治っても、妊娠に影響の出る可能性がある。従って、少子化の現代社会にとっても大きな問題である。

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