がん友(MYさんの場合)~手術へ

 大学病院に移っても、出血の続く子宮頚部を圧迫して、止血するためのタンポンを膣から毎日入れ替える必要があった。これが痛い。がんの病巣を圧迫するから痛いのだと思うが、圧迫しないと止血できない。MYさんは、タンポンを取り換えるたびに悲鳴をあげた。

 大学病院では、輸血を続けながら、追加の検査と治療方針の検討が行われていた。MYさんは、放射線治療がいつから始まるのか気が気ではなかった。

 1週間が経ったところで、回診でまわって来た担当医が言った。
「MYさん、教授がなんとか手術できそうだと言いましたよ。よかったですね」

「えーっ、そうですか。放射線治療じゃなくて、手術ですか?」

「そうです。手術で取れれば一番いいですから、それをやってみようということです」

「本当に手術で治るんですか?」

「それは手術してみないと分かりません。でも、とにかく手術して病巣を取ってしまわないと、出血は止まりません。教授は、なんとか手術で取れそうだと言ってるんです。よかったじゃないですか。がんばりましょう」

「そうですか。分かりました。お任せします。よろしくお願いします」

 MYさんは、自分のがんは治療の施しようもないものと、なかばあきらめていた。前院の主治医から聞かされていた放射線治療しか方法はないものと思っていた。だから、手術の話を聞いても、「本当に手術ができるのだろうか?」と一瞬いぶかった。

 しかし、これで治る可能性がでてきたのだ。そう考えるうち、これで治るという確信のようなものが、次第にMYさんの気持ちの中に湧いてきた。大学病院に引き受けてもらって本当によかったとMYさんは思った。

※このブログが本になりました。「がんになって分かったこと~さまざまながんの素顔と元気な患者たち」という書名で、文芸社からの出版です。ネット販売もしています。

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