がん友(MYさんの場合)~奇跡の生還

 すぐに予定が立てられ、手術は翌週行われた。10時間を超す大手術だったが、教授の言葉通り、がんはうまく取り除かれ、出血も止まった。

 MYさんにとって、手術の傷の痛みは、それまでの死の不安ととなり合わせの痛みと比べれば、何でもなかった。むしろ、手術の後の痛みは治る痛みである。うれしい痛みだ。

 10日後、病理検査の結果が出た。がんは取り切れているが、骨盤の中の数個のリンパ節に転移があるとのことだった。そのため、放射線による治療が必要ということになった。

「放射線治療が必要だよ。手術で取ったリンパ節に転移があったから、取り切れなかったリンパ節にも転移している可能性がある。とくに、骨盤の中に取り残されたリンパ節には転移が起こっている可能性が高い。だから、そこに重点的に放射線をかける必要がある」

 MYさんは、この放射線治療の提案を受け入れた。

 放射線治療は大した副作用もなく、1か月ほどで終わった。ひどい出血を起こしたMYさんのがんは、ひとまずこれで治ったのである。MYさんにとって、信じられない奇跡の生還だった。MYさん51歳の時だった。

※このブログが本になりました。「がんになって分かったこと~さまざまながんの素顔と元気な患者たち」という書名で、文芸社からの出版です。ネット販売もしています。

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