(がん関連情報)~うつるがん・ワクチンで予防できるがん=子宮頸がん

 前述のように子宮頚部がんの原因はウイルスであることが分かっている。このウイルスは、ヒトパピローマウイルス(HPV)と呼ばれる。このウイルスは子孫を残すために必要な性行為で感染するので、やっかいである。通常の女性は、一生のうちに半数のひとがこのウイルスに感染すると言われている。

 しかし幸いなことに、現在、このウイルスに対する予防ワクチンができている。頚部がんを起こすヒトパピローマウイルスは何種類もあり、そのうちもっとも多くの頚部がんの原因となっている2種類のウイルスの感染を予防するワクチンが、このワクチンである。この2種類のウイルスによって起こる60~70%の頚部がんが防げる。

 子宮頚部がんは、ワクチンで予防できる唯一のがんである。これはがん研究のすばらしい結果の一つと言える。感染する前に、ワクチンを接種しておけば子宮がんを予防できる。つまり、性交渉を持つ前の年代に予防接種を行うのである。思春期前期、つまり10代の前半に予防接種を行うことが望ましいと考えられている。

 自治体によっては、少子化対策の一環として、この予防接種の費用を助成するところが出ている。国も、助成のための予算化をしたようだ。これによって、この動きが全国に広がることが期待される。

 ただし前述のように、このワクチンで子宮頸がんを100%予防できるのではない。しかも、このワクチンは感染したウイルスを排除するワクチンではない。感染を予防するものなのである。

 従って、子宮がん検診を受けることは、やはり重要だ。ワクチンを接種したから安心だとして、子宮がん検診を受けないと片手落ちである。ワクチンを接種し、しかも検診を受けることによって、はじめて子宮がんで命を落とす人を本当に減らすことができる。

※このブログが本になりました。「がんになって分かったこと~さまざまながんの素顔と元気な患者たち」という書名で、文芸社からの出版です。ネット販売もしています。

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