がん友(MYさんの場合)~オピオイドの開始

 MYさんは、オピオイドを使うことを了解した。そして、その副作用によって吐き気が出ると聞かされ、それを抑えるために吐き気止めを一緒に飲み始めた。その吐き気止めのせいか、あまり吐き気を感じることはなかったが、歩いている途中、突然嘔吐した。吐き気がなくても、体が揺れるような状態では、突然、吐いてしまうのだった。
 
 したがって、副作用の少ない、貼り薬のオピオイドに変えることになった。3日毎に貼り替えればいい薬剤である。これによって吐くこともなくなり、痛みも少し楽になった。オピオイドは、最も強力な鎮痛剤であるが、吐き気と便秘という副作用を持つ。それを防ぐために吐き気止めと下剤は必須である。飲み薬よりも貼り薬のほうが、この副作用が少ない。

 がんの痛みを止める治療には、通常の痛み止めが効かなくなったところで、オピオイドが使われる。これは、今まで使ってきた痛み止めに上乗せする形で投与される。

 麻薬の使い方を示した世界保健機関(WHO)の指針によれば、最初、最も弱い麻薬製剤であるコデインから使い始めて適量を決め、つぎにモルヒネなどのオピオイドに変えていくとされるが、必ずしもそれにこだわらず、初めから強いオピオイドを使うことが多い。加えて、薬剤の吸収を遅らせるオピオイドができたので、1日の服用回数を減らすことができるようになった。したがって、それを使えば服用回数を1日1~2回で済ませるようになっている。

 これによって患者自身だけでなく、介護に当たる周囲の人の負担がかなり減った。そして、今では内服する薬剤だけでなく、MYさんにも使われたような貼り薬ができている。しかも、これは1~3日に一度貼ればいいので、なにかの理由でものを食べられなくなった人にも使うことができる。

 また、この貼り薬は作用が強いので、オピオイドの必要量が増えてきた場合にも、それに変えて使われる。MYさんの場合も、飲み薬のオピオイドの量が少なくはなく、嘔吐する副作用を抑えられなかったため、この貼り薬が使われることになったのだった。

※このブログが本になりました。「がんになって分かったこと~さまざまながんの素顔と元気な患者たち」という書名で、文芸社からの出版です。ネット販売もしています。

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