がんなんかに負けてたまるか(KNさんの場合)~再々手術の結果

 KNさんは重ねて言った。

「でも、取れる可能性が少しでもあるんだったら、手術してください」

「そうですか。じゃあ、やってみましょう。前の肝臓の手術のときのように、今度の手術のあと、腫瘍マーカーが下がってくれればいいですがね。」

 こうして、KNさんの大腸がんに対する3度目の手術が行われることになった。

 しかし、この手術の後の主治医の説明はKNさんにとって最悪のものだった。

「やはり、大きくなったリンパ節が大事な血管に食い込んでいたため、血管を切るわけにはいかず、全部を取ることができなかったんです。リンパ節をかじり取っただけです。ですから、がんは残っています」

「残ったがんをやっつけるには放射線治療が必要です。手術のキズが治ったら、さっそく始めましょう。放射線治療の効果を高めるためには、さらに強い抗がん剤の治療を加える必要がありますが、いいですか?」

 KNさんは、まだがんを内緒にしたまま仕事を続けていたので、やはり休みを長く取るわけにはいかなかった。

「治療はお任せします。ただ、先生、いつも注文をつけてばかりで申し訳ありませんが、仕事の都合上、できるだけ入院期間を短くしたいので、放射線治療と最初の点滴治療だけは入院のままやっていただきますが、その後はまた外来通院で治療を続けるようにしていただけませんか?」

 主治医はうなずいた。

※このブログが本になりました。「がんになって分かったこと~さまざまながんの素顔と元気な患者たち」という書名で、文芸社からの出版です。ネット販売もしています。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック