がんなんかに負けてたまるか(KNさんの場合)~本気で受けることにした抗がん剤治療と禁酒禁煙

 KNさんは、このとき初めて本気で抗がん剤の治療を続けるしかないと思った。

 残念ながら自分のがんは手術で取り切れなかった。それならば、手術のつぎにがん細胞を殺す可能性の高い治療である放射線治療を受けるしかない。それに抗がん剤治療を加えれば、効果が増す。だとすると、その治療を受けるしかない。

 そして、その治療の効果を阻害するものは排除しなければならない。

「今、自分のからだの中にはがんが残っている。そのがんを、タバコと酒は増長させる可能性がある」そう考えたKNさんは、それまでがんと分かったあとも吸い続けていたタバコと、これも好きでやめられなかった酒を、この時点で完全にやめた。

 抗がん剤治療は、それまでと同じように飲み薬で行うことになったが、前の飲み薬に比べ副作用も強い代わりにさらに効果の期待できる薬に変更された。

 これは、最近消化器のがんの治療でよく使われるようになった新しい経口剤で、とくに下痢の副作用が強い。最初に抗がん剤の点滴治療をしたあと3週間新しい飲み薬の抗がん剤を続けるのを1コースとし、間に1~2週間の休みを入れて、このコースをくり返すことになった。

 タバコと酒はやめたが、大好きなゴルフは続けた。KNさんは、みんなで楽しく好きなことをやっていくことが、生きることそのものと思っている。それができないなら生きていても仕方がない。

 さらに、それを続けるためには、そのエネルギーのもとである食事をきちんと取らなければならない。下痢をしても食べることはできるので、下痢をすること自体はKNさんにとってまったく苦にはならなかったが、下痢がひどいとゴルフができなくなるので、その時だけ薬を減らしてもらって抗がん剤治療を続けた。

 KNさんにとっては、好きなことをして楽しく人と交流すること、そしてそのために食べること、これがもっとも大事なことだった。

※このブログが本になりました。「がんになって分かったこと~さまざまながんの素顔と元気な患者たち」という書名で、文芸社からの出版です。ネット販売もしています。

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