がんなんかに負けてたまるか(KNさんの場合)~カラ元気でもいいから元気でいる

 そのころ、KNさんの母親が転倒して腰椎の圧迫骨折を起こし入院した。その入院後、認知症の症状が重くなり、そのまま施設に入所することになった。KNさんの母親は、そのまま入所中だが、今でもKNさんが元気でいると思っている。

 点滴治療をやめて食べられるようになり、KNさんは少し体重を取り戻した。タバコはそのままやめているが、少しの酒を飲み始めたこともよかったのかもしれない。

 KNさんがお酒を少し飲みだしたのは、「お酒は飲んでも大丈夫か?」というKNさんの問いかけに、私が「少しのアルコールはまったく問題ない」と答えたからだ。

 KNさんは、体重が減った時にも、決してそのために具合が悪くなっているなどとは考えなかった。体重が増えていて欲しいと思って体重計に乗ってもまったく体重が増えないような時は、体重計が狂っているとKNさんは考えた。

 思ったような結果が出ないために自分が落ち込むようなことには、KNさんは決してならないのである。自分の思うようになっていないのは、向こうが悪いと割り切る。

 体重が増えていないのではなく、体重計が壊れていて正しく指さないのである。自分に都合の悪いことを簡単に受け入れてしまわないようにすることが大事なのだとKNさんは思う。

 カラ元気でもいいから、元気でいるのがいい。元気のない人のところに、元気な人は集まらない。自分が元気でいるためには、自分のまわりに元気な人にいてもらう必要があるとKNさんは考える。

 だから、KNさんは元気なひとたちと一緒にいるために、カラ元気を出すのである。そして、結局はそれが自分の本当の生きる力につながるのだと思う。

※このブログが本になりました。「がんになって分かったこと~さまざまながんの素顔と元気な患者たち」という書名で、文芸社からの出版です。ネット販売もしています。

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