がんとの長いつきあい(KGさんの場合)~前立腺の診察と超音波検査

 KGさんに届いた前立腺がん検診の結果は、「要精密検査」だった。前立腺がんで増えるPSAの数値が15と記載されていた。

 通常、PSAの値が4以上で前立腺がんの可能性があるとされ、精密検査が必要ということになる。10以上の場合は、がんの可能性はかなり高いと判断される。KGさんの数値は15だから、がんの可能性がかなり高いことになる。すぐに精密検査のため大学病院泌尿器科の受診予約をした。

 前立腺の検査は、気持ちのいいものではない。お尻を出して、横向きに寝る。そして、肛門から指を入れられ、前立腺を触れて形に異常があるかどうかの診察が行われる。これが触診である。

 前立腺がんは主に前立腺の表面に近い部分にできてくるので、がんがあると前立腺の表面に凸凹が出てくる。また、前立腺は肛門から入ってすぐの直腸の前面に接しているから、それを指で触れて診断できる。

 KGさんの前立腺には、指で触れてもなにも異常は見つからなかった。したがって、つぎの検査が必要ということになった。前立腺の超音波検査と生検の予定が立てられた。

 超音波検査は、膀胱をいっぱいにふくらませて行われる。つまり、排尿をできるだけがまんし、膀胱の中に尿をいっぱいに貯めて行う。

 超音波は液体の中をそのまま進むことができるという性質を持つので、膀胱に尿が貯まっていれば超音波は何にも邪魔されずにその中を通り抜け、すぐ下にある前立腺に到達することができて、前立腺の状態がよく写し出される。
 
 この検査の結果は担当医からKGさんに伝えられた。

「KGさん、超音波検査では、前立腺にはっきりしたしこりのようなものは見つかりませんでした。ということは、少なくとも進んだがんではない」

「ただ、いずれにしても前立腺に直接針を刺して前立腺の一部を取り、それを顕微鏡で調べる生検という方法で確認する必要があります。この検査も、お尻からやります。何回も針を刺すので少し大変ですが、どうしますか?」

 KGさんは答えた。

「できれば受けたくない検査ですが、仕方がないですね。お願いします」

 こうして、KGさんは前立腺の針生検を受けることになった。

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