がんとの長いつきあい(KGさんの場合)~前立腺がんのグリソンスコア

 がんの悪性の程度は、がんの分化度というものを見て判断される。分化度とは、がんの組織が、発生の母地の組織とどの程度似かよっているかどうか、その程度を示すものである。

 分化度が高い、つまりよく分化したがんというのは、そのがんが発生母地の組織とよく似ているということであり、悪性の程度が高くないということになる。反対に、分化度が低いというのは、がん細胞がもとの細胞の顔かたちを残していないということであり、悪性度が高いということを示す。

 通常、前立腺がんの組織は、場所によってこの分化度が異なるので、悪性の程度がもっとも高かった部位と2番目に高かった部位の悪性の程度を見て判断する。悪性の程度の高い順に2か所の数値を足して表わす。これがグリソンスコアである。

 針生検の1か所毎に悪性の程度(分化度)は5段階で判定される。5がもっとも悪性度が高いことを示す。たとえば8か所の生検の結果、もっとも悪性度の高いところが4点で、2番目が3点であれば、そのグリソンスコアは7点となる。

 この7点という点数は、前立腺がんの中で最も多いもので、中程度の悪性度ということを示すものである。この点数が8以上になると、悪性度が高いことを示す。反対に、6以下の場合は悪性度が低い、つまりおとなしいがんということになる。

 前立腺がんは、他のがんに比べてもともとおとなしいがんなので、その中でおとなしいというのは、極めておとなしいがんであり、治療せずにそのまま様子を見ているだけでいいがんともいえる。

 このようにグリソンスコアは前立腺がんの悪性の程度を表わすものなので、治療法を決めるのに重要な指標なのである。

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