がんとの長いつきあい(KGさんの場合)~前立腺がんの放射線治療

 KGさんのように検診で発見され、はっきりした転移がなく、かつグリソンスコアが6以下の時、治療を行う場合は、手術ではなく密封小線源治療という放射線治療が選択されてもいい。

 これは、文字通り、極めて小さな密封容器に放射性物質を入れ、それを前立腺内に恒久的に留置する治療法である。以前は放射線源としてラドンの針を用いてこの治療が行われたが、現在ではラドンには問題があるとされて行われていない。

 この治療法が、前立腺がんに対する最も副作用の少ない根治療法といえる。やはり、早く見つかれば、どんながんでも副作用の少ない治療法で根治できる。

 反対に、腫瘍が大きく、さらに転移が起こっているようながんでは、放射線による治療も、小線源による治療ではなく、体の外から病巣に放射線を照射する通常の方法で行われる。

 放射線はがん細胞だけでなく、正常細胞にも害作用を及ぼす。したがって、正常組織にできるだけ害作用を及ぼさない照射法が考えられている。定位照射とか三次元分割照射などと呼ばれる照射法である。

 これは、病巣を中心にして照射源を回転させ、中心の病巣には常に放射線が当たるようにしながら、周囲の組織への放射線の被曝を減らす方法である。これによって、副作用を可能な限り抑えて効果を増やすことが可能になった。
 
 また、前立腺がんは陽子線を含む粒子線治療のちょうどいい対象である。これは、通常の放射線治療と違い、有効な放射線エネルギーをがんのある体の深いところに合わせることができる治療法である。だから副作用が少なく、効果が高い。しかし、まだこの治療法は保険の対象外である。

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