がんとの長いつきあい(KGさんの場合)~手術後のPSA値

 KGさんは、大きな問題なく退院を迎えた。そして、外来での経過観察となったのだが、採血のたびに主治医は首をかしげた。手術のあとに減っていいはずのPSAが思うように減らなかったのである。

「KGさん、PSAが下がらないということは、もしかするとどこかに見えない転移があるということかもしれませんね。とすれば、ホルモン剤を使って治療するのがいいと思います。前立腺がんは、ホルモン剤が効きます」

 主治医は、ホルモン剤による治療をKGさんに提案した。

 KGさんは、少しためらった。やはり、ホルモン剤の副作用が気になったのである。

「そうですか。治療が必要ですか?」

 KGさんは、さらに主治医に聞いた。

「しばらくこのまま様子を見るというわけにはいきませんか?」

 PSAが高い場合、治療前であれば、KGさんが考えた方法は確かに間違いではない。とくに、症状はもちろんのこと、はっきりしたしこりもなく、グリソンスコアも低いような場合、様子を見るという選択は前立腺がん治療専門医にも認められた方法なのである。

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