がんとの長いつきあい(KGさんの場合)~肺の内視鏡手術(胸腔鏡手術)

 内視鏡手術は、今では、からだのさまざまな部位で行われるようになった。膀胱鏡から始まり、腹腔鏡、関節鏡、そして胸腔鏡である。

 胸腔鏡手術は、通常、胸に三つの穴をあけて行われる。一つから内視鏡カメラ、他からは鉗子(かんし)と呼ぶ手術道具を挿入し、内視鏡カメラの画像をテレビで見ながら手術を行う。これにより、目的の肺の部位を部分的に簡単に切り取ることができる。

 切り取ったものを、すぐに検査にまわす。これを迅速病理検査という。この検査で、肺がんと診断されれば、改めて肺がんの手術に切り替えられる。

 つまり、がんの場合はがんのあった肺葉の全部とリンパ節を切り取るのである。これも胸腔鏡を使って、そのまま行われる。このとき、三つのうち一つの穴は、切り取った肺を取りだすために、少し切り足される。しかし、手術のきずは小さくてすむ。

 もちろん、がんでないことが分かれば、それで手術は終わる。

 KGさんの奥さんは、やはり肺がんだった。したがって、左の肺の上半分を切り取る手術が追加されることになった。

 ただし、前述のように、胸腔鏡手術は小さなきずですむので、手術後の回復が速い。きずの痛みも少ない。

 KGさんの奥さんは、リンパ節の転移がなかったため、手術の後すぐに退院となった。なにも治療を追加する必要はなく、定期的に外来受診するだけでいいということになった。当面、毎月の外来受診を指示された。

 KGさんは、ホルモン療法を引き続き受けていた。つまり、KGさんも毎月外来受診していたのだった。したがって、これからは夫婦二人で大学病院の外来受診を義務付けられたことになる。

 しかし、KGさんにとって、これはちょうどいいことだった。自分が外来受診しなければならない時に、妻も一緒に外来受診するとなれば、手間がはぶける。自分の診察は、いつもほとんど時間がかからない。だから、妻の外来診察に十分付き合うことができる。

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