がんとの長いつきあい(KGさんの場合)~大学病院の医師って何?

 それにしてもどうしてとKGさんは思う。妻は、結局、肺がんだった。大学病院へ2年間も通っていたのに、どうしてそれが分からなかったのか。そのことが納得できなかった。

 しかし、一方で、初めて妻のレントゲン写真を見るなり、肺がんと言った医師も同じ大学病院の医師だった。どうして、この違いがあるのかと思う。

 KGさんは、この落差が信じられない。大学病院の医師は、全部が同じ能力を持った優秀な医師だと思っていた。ところが、必ずしもそうとは言えないようだった。何をどう信じたらいいのだろう。

 しかしとにかく、妻を診察してくれている今の医師は、妻のレントゲン写真を見るなり肺がんの可能性があると言った。妻はこの医師に任せればいい。

 この医師は、毎月の外来受診のたびに血液検査をして、妻の腫瘍マーカーを調べた。一度そのマーカーの数値が少し上がったことがあった。当然、これはKGさんと奥さんを不安な気持ちにさせた。

 その主治医は言った。

「肺には特別な変化はありませんから、ほかになにかがあるのかも知れません。少し様子を見ましょう」

 この言葉はKGさんと奥さんをさらに不安にさせた。KGさんはたまらず主治医に言った。

「先生、心配があるのにそのまま様子を見るだけでいいんですか?」

 主治医は言った。

「腫瘍マーカーが増えたといっても、ほんのわずかですから、このまま様子を見ていいと思います。つぎの採血の結果を見ましょう」

 KGさんは主治医の言う通りにするしかなかった。

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