もう一度歩きたい(KKさんの場合)~手術の結果

 10日後、手術標本の病理検査の結果が出た。顕微鏡を使って行う、がんの詳しい検査が病理検査である。

 担当医が言った。

「KKさん、がんは尿管のまわりに広がっていましたがそれほど大きくはありませんでした。ですから、手術で完全に切り取れていると思います」

 KKさんは言った。

「よかったです。これで安心ですね」

「そうですね、これでいいと思います。腎臓は残りひとつになってしまいましたが、まったく問題はありません。残った腎臓は、なくなった分を完全にカバーしてくれます。」

 担当医はそう言うと、KKさんに退院の許可を出した。

 しかしKKさんは、これで本当に治ったのかどうか心配だった。また血尿が出はしないかと心配だったのだ。しかし、その気持ちを主治医に言うことはしなかった。

「しばらくは外来に来ていただきます。そして、変わりがないかどうかを定期的に見ていきます」

 そういう主治医のことばを聞いて、KKさんは「それでいいんだ」と自分に言い聞かせ、主治医に言った。

「そうですか。よろしくお願いします。ありがとうございました」

※このブログが本になりました。「がんになって分かったこと~さまざまながんの素顔と元気な患者たち」という書名で、文芸社からの出版です。ネット販売もしています。

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