もう一度歩きたい(KKさんの場合)~骨転移の治療へ

 主治医はKKさんに言った。

「骨が溶けるのは、そこに転移が起こっているからだと考えます。すぐに治療が必要です。転移の痛みを抑えるには、放射線治療が最も有効です」

「とりあえず痛み止めの飲み薬を出しますが、すぐに放射線の治療計画を立ててもらいましょう」

 KKさんは、たまらず主治医に聞いた。

「先生、転移ということは、がんが再発したということですね?手術では治りきらなかったということですね?」

 主治医は答えた。

「残念ながら、そうです。再発です。ですから、放射線の治療と抗がん剤の治療の両方が必要です」

 KKさんは「そんなことがあるはずはない」と思ったが、それを口には出さず、つぎのように言った。

「手術で全部取りきれたと言ったじゃないですか?そうじゃなかったんですか?」

 主治医は答えた。

「確かに手術で取りきれたと思うと言いました。しかし、がんの治療の難しいところはそこです。手術の限界とも言えます」

「がん細胞が血液やリンパの流れに乗って全身をまわってしまい、それがどこかに止まって増え始めるとそこに転移が起こるわけです。手術ではそれを取りきることはできません。残念ながら、KKさんの場合、それが起こってしまったわけです」

※このブログが本になりました。「がんになって分かったこと~さまざまながんの素顔と元気な患者たち」という書名で、文芸社からの出版です。ネット販売もしています。

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