もう一度歩きたい(KKさんの場合)~自力でがんを治す

 主治医は最後に言った。

「以前のように月に一度私の外来に来てください。そこで具合いを見て行きます」

 主治医の言葉をKKさんは受け入れた。

「わかりました。家で頑張ることにします。長い間ありがとうございました」

 KKさんにとって、再発と言われてからきょうまでの時間は、長かったような気がすると同時に、あっという間に過ぎたような感じでもあった。

 再発と言われ、すぐに治療が必要と言われて、がんと闘うのではなく、その治療と闘って来た感じがした。もちろん、痛みという症状があったから、それを鎮めるための治療ではあった。

 しかし、受けた治療は、すべて計画されたスケジュールをこなすばかりのものだったから、いつも身近な目標があり、そこに向かって日を数えることのくり返しだったので、過ぎてみるとよけい短く感じたのだろう。すべて主治医に任せっきりだったのだ。

 退院してこれからは自分でやるんだと思うと、KKさんにはむしろ元気が湧いてきた。

「よし、自分で頑張ってしっかり歩けるようになろう。それに、もう治療できないというなら、がんなんか自分で治してやる」

※このブログが本になりました。「がんになって分かったこと~さまざまながんの素顔と元気な患者たち」という書名で、文芸社からの出版です。ネット販売もしています。

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