もう一度歩きたい(KKさんの場合)~緩和ケアへ

 家に戻ったKKさんは、リハビリを続けた。

 しかし、絶対によくなってやるという気持ちと実際の努力とは裏腹に、左下肢の動きは徐々に悪くなっていた。それまで自分で歩いていくことのできたトイレまでも、妻の介助がないと行けないようになってきた。

 さらに、また痛みまでもが悪化した。耐えられないような痛みがときどき背中を襲った。この状態で元の遠い病院まで行くのは大変だと思いながら、KKさんは主治医の書いた手紙を思い出した。

「近くの緩和ケア病棟へ入院させてもらおう」

 KKさんは、手紙を持って市内の緩和ケアの医師の診察を受けた。診察を終えた医師は言った。

「今までの治療、ずいぶん大変でしたね。また痛みが強くなったようですが、今までの治療がまったく意味がなかったとは思いません。それなりの効果があったから、現在のあなたがあるんです」

 さらに医師は続けた。

「もし効果がなかったなら、今のあなたはないと思いますよ。ともかく、痛み止めを増やすことが必要です。ただ、これ以上増やすと飲むのが大変になりますから、貼り薬を使うことにします。入院したうえで薬を調節しましょう」

※このブログが本になりました。「がんになって分かったこと~さまざまながんの素顔と元気な患者たち」という書名で、文芸社からの出版です。ネット販売もしています。

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