がんなんて本当?(KWさんの場合)~かかりつけ医の役割

 CTを見ると、もともとある肺の転移巣の大きさはまったく変わりなく、今まで異常のなかった肺に確かに肺炎が起こっていた。

 KWさんは、肺炎としてそのまま抗生物質を飲み続けるよう指示を受けた。そして、その1週後、咳はまだ残っていたが、新しくできたカゲはほとんど消えた。やはり、肺炎で間違いはなかった。

 がんの転移が肺にあると聞くと、だれでも大変な状態だと考えるだろう。それは、医師にとっても同じことだ。とくに肺の専門医以外の医師であれば、素人と同じである。

 いやむしろ、患者からは分かって当然という思いで見られていると考えると、専門医以外の医師は、何か問題が起これば、すぐに専門医に任せようと考えるだろう。

 KWさんの肺に起こった今回の出来事は、転移が大きくなったのではなく、たまたま肺炎を併発しただけだった。結果的には、かかりつけ医が抗生物質を出して、そのまま治療を続けてくれれば、それだけでよかったのである。

 しかし、KWさんのかかりつけ医が悪いのではない。むしろ、KWさんを十分に診てくれているのは間違いない。すべてどんなことも診るかかりつけ医の役割を十分に果たしている。新しいカゲが見つかった時に、いち早く精密検査を受けるようKWさんに指示を出してくれた。

 とにかくがん患者の経過を追うかかりつけ医は、患者同様にがんの再発に神経を使う。

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