家族の絆(TNさんの場合)~のどのひっかかり

 58歳になるTNさんは、最近、のどの通りが気になっていた。ときどきひっかかる感じがする。食べたものが、一度ひっかかってから下に落ちるような感じだ。

 TNさんは思った。

「食道になにか病気ができたのではないか?もしかして、食道がんか?」

 検査を受けたほうがいいかなと思った。

 TNさんは、たばこが好きだった。たばこは体に悪いことは知っている。が、やめられなかった。それにお酒も飲む。父親がお酒の好きな人だった。毎日、日本酒で晩酌をしていた。

 TNさんは、日本酒に限らず何でも飲んだ。だから、アルコールを飲むことのできる集まりでは、TNさんにはだれもがそれぞれの好みのアルコールを持ってきて、それを勧めながらTNさんと話すことを望んだ。

 TNさんの大きな二重の目とはっきりした言葉を繰り出す生き生きした口は、集まってくるだれをも魅了したのだ。飲み会ではTNさんの周りにはいつも人だかりが絶えなかった。そのような集まりがずっと続いて来たのだった。

※このブログ(「KWさんの場合」まで)が本になりました。「がんになって分かったこと~さまざまながんの素顔と元気な患者たち」という書名で、文芸社からの出版です。ネット販売もしています。

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