家族の絆(TNさんの場合)~食道がんの手術

 食道がんの手術は、左側の胸部を大きく切開して行われることが多い。そうして、のどの奥から胃につながる食道のすべてを切り取る。同時に周囲のリンパ節をすべて摘出する。

 その後、胃袋をお腹から引き上げて胸の中を通し、のどの奥の食道の口側の切除端につないで、切り取られた食道の代わりにする。このように、食道がんの手術はけっこう大変な手術である。

 また、手術の後、食べられない期間が長くなるので、患者はつらい思いをすることになる。さらに、食事が摂れないため栄養状態が悪くなり、手術のきずの治りがうまくいかないことになることがときどきある。

 TNさんの場合は、手術の前に抗がん剤治療も行っている。これもきずの治りを悪くする。こういう悪条件の重なる手術になることが考えられたので、TNさんは大学病院に紹介されたのだった。

 TNさんの手術は、無事終了した。そして、手術後数日間は切った側の胸の中に太い管が入れられていたが、それも問題なく抜去され、その後も特別な問題は起こらず、きずはきれいに治った。

 食事の許可が出た。TNさんにとってお粥は久しぶりのものだったが、お粥をこんなにおいしく食べられるとは思わなかった。

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