サルビアの会12年11月家族の会

 先月ご夫妻で患者の会に参加した小腸がんのAYさんが、お二人で参加。AYさんは、早速主治医に治療薬について聞いたそうですが、主治医は「あなたに使える薬はない」と。AYさんは、「がっかりした」と言います。

 確かにそうですよね。期待して病院に行ったでしょうからね。私も責任を感じます。しかし、AYさんは抗がん剤の治療の副作用がひどかったと言いますが、本当によほど大変だったのでしょうね。おそらくまだその影響から完全には抜け出せていないのだろうと思います。

 今、AYさんにとって一番つらいのは食欲のないことだと言います。ごはんの匂いをかぐだけで吐き気がしてくるそうです。痛みはあまりひどくないそうですが、通常の鎮痛剤とモルヒネ剤を飲んでいるということなので、モルヒネ剤を減らしてみてはどうかと提案しました。

 それで食べられるようになればいいと思います。ただし、モルヒネ剤を減らして痛みがひどくなるようだったら、すぐにモルヒネ剤をもとに戻す必要があります。注意してためしてみるといいでしょう。痛いのと食べられないのは、最もつらいことです。

 今回は、子宮がんが再発してつらい治療を経験したMYさんが参加していました。MYさんは言います。

「私もモルヒネを飲んでいたことがあったんです。とにかく突然吐いちゃうんです。吐き気止めは飲んでいたので、吐き気はなかったんですけどね。でも、歩いて体がゆれるような感じになると、突然吐いてしまう」

「つらかったですね。モルヒネは痛みが取れて必要がなくなったので、やめました。そうしたら、吐き気もおさまりました。AYさんの吐き気も、モルヒネ剤の影響かもしれませんね」

 MYさんの言うのを聞いてKNさんが言います。

「通院で抗がん剤の治療を続けていた夫は、点滴が終わって吐き気が出て来ると、気持ちが悪いから食べないんではなくて、反対に好きなものを食べようとしたんです」

「焼き肉が好きでしたから、無理にでも焼き肉を食べて吐き気を押し殺してしまったんです。夫は、そんな風にやってました。気持ちの問題もあるんでしょうか?」

 私は言いました。

「気持ちの問題というよりも、薬の強さと副作用の個人差ではないでしょうか。KNさんのご主人の場合も、最後に受けた点滴治療はかなり吐き気の副作用が強かったですよね」

「だから、治療はやめると決めた。その時の副作用はかなりきつかった。その点滴治療と同じ治療が、今の治療なんですよ。だから、つらい思いをする人が多い」

 CBさんはたまらず話し始めました。

「大腸がんの夫は、30回しかできないと言われた抗がん剤の治療を22回までやったあと、もうこれ以上はできないと言って手術をしました。抗がん剤の点滴治療は、吐き気も含めてつらいことばかりだったようでした」

「でも、手術も大変だったようですよ。肝臓に転移があったので、大腸と肝臓と両方を取る手術でしたから。もともと人工肛門をつけていたんですが、今度は小腸にも人工肛門がつけられて、ふたつになったんです」

「小腸のほうは、そのうちに閉じることになるらしいんですが。さずがに夫も手術のあと、こんな手術は受けるんじゃなかったって騒いでました。でも今は、なんとか落ち着きましたけどね」

 AYさんは静かに言います。

「痛みはなんとかがまん出るんですけどね。いつも気持ちが悪くて食べられないのがつらいんです」

 闘病中の人の言葉は重いですね。そして、その言葉を聞いて、みなさんがそれぞれの記憶を確かめたようです。

*このブログが「がんになって分かったこと」(文芸社)という本になっています。読んでみてください。

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