家族の絆(TNさんの場合)~放射線治療の副作用

 ただ、治療を重ねるうちに、皮膚が日焼けしたように赤くなりひりひりとした痛みを感じるようになった。それと同時に、のどの奥が焼けるように痛み出した。ものを食べようとしても、痛くてものがのどを通らない。

 これは、放射線による皮膚炎と咽頭炎である。皮膚と粘膜の細胞が放射線によって死んでしまったために起こる炎症である。皮膚はひどい日焼けと同じ、のどはひどい風邪を引いたと同じ状態である。

 ただ、がん細胞もおなじように死んでいるのである。しかし、正常な細胞は再生するが、がん細胞は再生力がないので死滅する。これが、放射線治療の簡単な原理である。

 正常な組織は再生する、つまり治るが、少し時間がかかる。その間、痛みを我慢する必要がある。TNさんは、痛み止めやのどの炎症を抑えるうがい薬を使いながら、なんとか耐えることができた。

 こうして、やっとふたたび食べることができるようになったTNさんは、退院を申し出た。最初の抗がん剤治療を受けてから、半年が経とうとしていた。

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