家族の絆(TNさんの場合)~久しぶりのゴルフ

 ほぼ1年ぶりのゴルフ場だった。秋も深まりゆく頃で、さわやかな日だった。

 久しぶりに大空の下、真っ青なグリーンをめがけて、1番ウッドを大きく振った。少し力を抜いたスイングだった。だからなのか、ボールを芯でとらえることができた。ボールはコースの真ん中を飛んで行った。

 その最初のひと振りを終えて、つぎのショットを打つため、コースへ降りようと一歩を踏み出したところ、腰に変な重苦しさを感じた。コースを歩くうち、しだいに重苦しさがにぶい痛みに変わってきた。

 TNさんは思った。

「あまりに久しぶりだから、最初の一振りで腰に来たのか?」

 コース上で、TNさんは、つぎのアイアンショットを打つべく構えたが、痛みが強くなり腰を回すことができなかった。アイアンのヘッドは空を切った。

 すぐに友達が集まってきた。

「大丈夫か?久しぶりで力が入りすぎたんじゃないか?きょうは無理しないで、ゴルフ場の空気だけ吸って帰ってもいいと思うよ」

 TNさんは、その通りだと思った。

※このブログ(「KWさんの場合」まで)が本になりました。「がんになって分かったこと~さまざまながんの素顔と元気な患者たち」という書名で、文芸社からの出版です。ネット販売もしています。

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