家族の絆(TNさんの場合)~首から腕への痛み

 同時にしこりの奥のほうに痛みが出てきた。しかもその痛みは首だけではなく、肩から腕のほうにまで及ぶ痛みだ。

 これは、がんが頸椎の間を通って出てくる神経を傷害して起こしている痛みである。通常の痛み止めだけでは、この痛みは取れない。

 もう2度と入院はしないと決めていたTNさんだったが、この痛みはたまらなかった。痛みの治療のために、少しの間入院することにした。少しの間ということで、次女も納得した。

 入院すると、すぐにモルヒネ剤が使われた。飲み薬で始められたが、嚥下障害のあることを考え、貼り薬に変えられた。3日ごとに貼り替えるものである。

 これで、痛みは楽になった。それでも、ときどき痛みが我慢できないほどになることがあったので、その時に飲むレスキュー剤と呼ばれる臨時薬のモルヒネ剤が出された。それをときどき飲んで痛みはよくなった。

 しかし、のどの通りがさらに悪くなり、一回に食べられる量は少なくなった。

 退院後は私が訪問診療で定期的に診て行くことになり、TNさんは退院した。

 半月ほどの入院だったが、その間に次女の抗うつ剤は増やされていた。それによって、次女の精神状態はなんとか安定していた。ただ、薬の量が増えたせいか、いつも眠りがちになっていた。

※このブログが本になりました。「がんになって分かったこと」(副題「さまざまながんの素顔と元気な患者たち」 )という書名で、文芸社からの出版です。ネット販売もしています。

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