サルビアの会2月患者会(その3)

 AYさんが体力回復が第一と言ったのを聞いて、私が話しました。

「確かに体力がなくなっては、元も子もないですから、今は食べることに専念することがいいんじゃないでしょうか。そして、痛みを取ることも大事です。体になにか不具合があると、そこに気持ちが向いてしまい、ほかにはなにも考えることができません」

「痛いときに考えるのは痛みのことだけです。ですから、まず、痛みを取ってもらうべきです。痛み止めの飲み薬も、貼り薬に変えてもらうとか、副作用を和らげるいろんな方法があります」

「そういう風に、今の症状を和らげて、気持ちがつらい症状に向くだけの状況を変えてもらうことが重要です。それができれば、それだけで気持ちが楽になります。気持ちが、ほかに向くようになります」

「今の具合の悪いことだけに気持ちが向いてばかりいることが、最も悪い状況だと思います。AYさんは、痛みと吐き気をなんとしてでも和らげるようにしてもらうのがいいと思います」

 これが、緩和ケアである。つらい症状にさいなまれながら、そのまま生きることを考えることは不可能だと思います。そのときに考えるのは、早くこの身を消して欲しいということになるのではないでしょうか。死んで楽になりたいということです。

 この落ち込んだ気持ちを前向きに変えるには、つらい症状を取ることが第一です。それが緩和ケアです。

 しかし実際には、がんだからどうしようもないと言われて、つらい症状から逃れられずにいる人たちが多いのではないでしょうか。

※このブログが本になりました。「がんになって分かったこと」(副題「さまざまながんの素顔と元気な患者たち」 )という書名で、文芸社からの出版です。ネット販売もしています。

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