サルビアの会3月家族の会(その1)

 ご主人が肝臓に転移のある大腸がんの手術を終えたCBさんは言います。

「主人はノウテンキなんです。がんのことが分かってない。それに主治医の言うことを絶対と思ってます。転移のある大腸がんが手術で治るなんて考えられないと、私は思ってるんですが、主人は全く違う」

「手術が終わって元気になったので、会う人みんなにがんが治ったって言ってるらしいんです。主治医の先生は、本人にはあまり厳しいことは言いませんからね。本人は主治医の先生の言うことをそのまんま信じているんです」

「主治医が言うから、もう大丈夫だって言ってるんですよ。心配するのは私だけ。私が疲れるだけです。私のほうが病気になっちゃいそう」

 それを聞いて、食道がん治療中のご主人といっしょに参加しているTJさんは言います。

「ご主人があまり自分の病気のことを心配しないっていうのはいいことだと思いますよ。幸せですよ。心配し過ぎるほうが絶対に大変だと思います。ご主人が神経質になっていたら、それこそたまらないと思いますよ」

 大腸がんでご主人を亡くしたKNさんも言います。

「私は、むしろ病気の主人がなんでもやってくれて、私のほうがノウテンキでした。主人が死んだ日も、まさか死ぬなんて思いもしなかった。先生が危ないと言っていたのに、それが理解できていなかったんです」

「主人は、その半月前頃に家族一人ひとりに遺書を書いていたんです。死んだ後、しばらくして家族それぞれに宛てた遺書を本棚から見つけたんです。もう、死ぬことが分かって覚悟してたんですね。だから、遺書を書いた」「

「私には『残したお金は全部使って、身一つでおいで。あの世で待ってるよ』って書いてあったんです。その時は家族みんながそれぞれに書かれたものを見て感激しました」

「でも、私にとっては、あまりに主人が完璧にやってくれてしまったので、主人になにもやってやれなかったっていう思いが強いんです。もっといろんなことをやってあげればよかったって」

※このブログが本になりました。「がんになって分かったこと」(副題「さまざまながんの素顔と元気な患者たち」 )という書名で、文芸社からの出版です。ネット販売もしています。

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