サルビアの会4月家族会(その1)

 2年前に奥さんを膵臓がんで亡くしたTHさんが最初に口を開きました。

「腫瘍マーカーで、がんは全部見つかるんですか?」

 私は答えました。

「腫瘍マーカーは、がんが進んでしまった状態で初めて出てくるんです。がん細胞が血液に触れるところで死なないとマーカーは増えない」

「マーカーというのは、もともとがん細胞の中に入っているものなんです。そのがん細胞が死んで壊れたために、その中に入っていたものが血液中に出てきたものなんですよ」

「つまり、それだけがん細胞が血管の中に入り込んでしまっていると考えて間違いがありません。だから、もはや早期ではないんです」

「ただ、前立腺がんでは違います。前立腺がんは多少進んでしまっても、進むのが遅いので命に関わることになることが少ない。だから、前立腺がんは、そのマーカーのPSAを使って検診が行われているんです」

 THさんは続けます。

「同僚が大腸がんの手術をしたあと、腫瘍マーカーが上がったので検査したら肺に転移が見つかったんです。そして、それをまた手術したって言うんですが、また仕事に復帰してきました。大丈夫なんですか?」

私は答えました。

「大丈夫ですよ。むしろ、どんどん体を動かした方がいい。そのほうが、肺の働きの回復も早いです」

「それならよかった」THさんは納得したようです。

*このブログが「がんになって分かったこと」(文芸社)という本になっています。よかったら読んでください。

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