サルビアの会4月家族会(その2)

 2年前にすい臓がんで奥さんを亡くしたTHさんは続けます。

「がんの人を見ると、私は妻のことを思い出してしまいます。モルヒネはどんなに使っても中毒を起こさないんですか?モルヒネを使っていた私の妻は、最後にはもうろうとしてしまって、昼夜の区別がつかなくなってしまった」

「だから、先生が夜に眠れるように睡眠剤を点滴しますということになって、睡眠剤の点滴を始めたんです。ところが、夜だけではなくて昼も眠りっぱなしになってしまった。そして、そのまま間もなく死んでしまったんです。そんなことはあり得ませんよね」

「妻も、死ぬなんてことは考えていなかったはずだと思うんです。そのことを思い出すと本当につらい。でも2年が経って、ずいぶん気持ちが落ち着いてきました。こういうことが話せるようになったんですから。少し前までは、すぐに涙がでてきてしまって、とても話なんかできなかった」

 それを聞いて7年前にご主人を大腸がんで亡くしたKNさんが言いました。

「そうね、私も主人が死んだあとしばらくはつらかった。死んだような気がしなかった。だから、家に帰ると必ず大きな声で『ただいま』って。それに、きょうあったことをまた大きな声でいちいち話していた。近くを通った人が、どうしたのかって思ったんじゃないかなって思う」

「毎日そうしてたけど、七回忌が済んでから、ずいぶん落ち着いたわ。お坊さんも言ってたけど、七回忌って本当に区切りなんだわね。今は、死んだ主人に話しかけるなんてまったくなくなった。時間なんだわね」

 そう、時間が解決してくれることは多いと思います。ただ、それまでの間、その気持ちを和らげてくれるものがあればいいですよね。それが、この会です。

*このブログが「がんになってわかったこと」(文芸社)という本になっています。読んでみてください。

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