手術はイヤ(THさんの場合)~セカンドオピニオン(3)

 THさんは、ご主人の車に乗せられ、初めてのがんセンター東病院に向かった。地図で見た限りではそんなに遠くは感じなかったが、車に揺られて来ると、かなり時間がかかった。

 予約の時間通り診察があり、その結果が話された。

「THさん、やはり手術は厳しいですね。手術で取りきれる可能性が20%、そしてさらに手術で治る可能性は、その20%というところでしょう」

 THさんは答えた。

「ということは、4%の可能性しかないということですね?だとすれば、手術は受けなくていいと思います。手術を受けたら、そのまま寝たきりになってあの世行きなんてことだってあるわけですもんね?」

 THさんのご主人は、少し間を置いて言った。

「そうか。ま、もう一度よく考えてみようよ」

 THさんのご主人は、THさんにそう言うと、担当医に向かって言った。

「先生、ありがとうございました。一応、話はお聞きできたわけですので、これから二人でよく考えてみます。きょうはこれで失礼します」

 帰りの車の中で、二人は話した。

 THさんの気持ちは変わらなかった。

「あの病院は遠いしねえ。しかも、手術で治る確率が4%だって。じゃあ、ほとんど治らないってことじゃないの?簡単な手術じゃないんだし。やっぱり、手術はやめとくのが賢明だと思うわ」

 THさんのご主人は、黙るしかなかった。

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