手術はイヤ(THさんの場合)~抗がん剤治療へ

 もとの病院に戻ったTHさんは、抗がん剤治療を受けることになった。最初に私の外来を受診してから、すでに2か月近くが経っていた。

 膵臓がんに対する効果的な抗がん剤は、残念ながら少ないが、ゲムシタビンという点滴の抗がん剤が有効とされている。これは比較的副作用が少ない抗がん剤である。主な副作用は、吐き気および白血球減少と血小板減少である。

 THさんには、ゲムシタビンの点滴を1週ごとに2回くりかえすという方法で行われた。これを1コースとし、2週間の休みを置いてくりかえすことになった。

 吐き気の副作用が出たが耐えられないほどではなかった。また、白血球が少なくなったが、治療をやめるほどにはならなかった。

 そして1コースが終了し、副作用の具合いを見終えたところで、ちょうど年末と重なったため退院し、年が改まったところで、今度は外来通院で治療を続けるということになった。

 やっと治療が始まったが、1コースが終わったところで正月休み。THさんは、なにか遅々として進まないような気がしてたまらなかった。なにかを始めようとすると、いつも邪魔をされるようないやな気持だった。

*このブログが「がんになって分かったこと」(文芸社)という本になっています。お読みください。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック