手術はイヤ(THさんの場合)~久しぶりの元気な顔

 背中の痛みは続いていたが、それほどひどい痛みではなかったので、年末に家に戻ると、いつもと同じように年越しと正月の準備をした。

 THさんには二人の息子がいる。もうすぐ40歳になるというのに、二人とも独身生活を謳歌していた。

 その二人が、大晦日ぎりぎりになって家に帰り、元旦を過ぎると、母親の元気な姿を見て安心したかのように、またそそくさと自分のアパートに戻って行った。

 THさんにも、やるべきことがあった。正月には、マレットゴルフの新年会があり、そこで、昨年の優勝旗を返還することになっていたのだった。

 THさんは、今年は治療中なので大会には参加できないが、来年は復帰して優勝を狙うと元気な挨拶を述べた。病気の治療中とは思えないTHさんの元気な顔だった。

 家で久しぶりにゆっくりしたTHさんは、これからのことを考えると憂うつになった。1週間毎の点滴治療を通いながら続けるのである。がんが消えるまで?

 それはいったいいつになるの?考えるときりがなくなるので、THさんは考えるのをやめることにした。少なくとも、この正月の間はなにも考えまい。治療が始まったら、そのときに考えればいい。

*このブログが「がんになって分かったこと」(文芸社)という本になっています。電子書籍にもなっていますので、お読みください。

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