胸にふたつのしこりが(SSさんの場合)~乳房の診察

 私は、SSさんの両方の乳房の触診をした。

 左にはとくにしこりのようなものは触れないが、たしかに右には乳房の内側に1個、そしてそこから少し離れた乳首寄りのところに、小さめのしこりをもう1個触れた。どちらもしっかりと触れる固さだ。私は、乳がんだと確信した。

 そして、私はSSさんに言った。

「SSさん、乳がんの可能性がありますね。それを確かめるために、これからくわしく検査をします。まず、胸のCTを撮ってみます。それでしこりがどんなものかを確認します」

「それが確認できたら、つぎはそのしこりを注射器で刺して、しこりの中身を少し吸い取って顕微鏡検査をします。がん細胞がいるかどうかの検査です。さあ、まずCTを撮ってみましょう」

 SSさんは「そうですか」とだけ言って、不安げな表情のまま診察室をあとにした。

 すぐに撮ったCTを見ると、右の乳房の内側に約2cmの大きさのしこりが1個。そして、その乳首寄りのところに、1cmを超す程度の大きさの別のしこりが確認できた。乳腺の組織と比べて、白くくっきり見える。これは乳がんの特徴だ。

 ただちに注射器を使って穿刺吸引細胞診を行うことにした。

*このブログが「がんになって分かったこと~さまざまながんの素顔と元気な患者たち」(文芸社)という本になっています。読んでみてください。

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