どうして私が胃がんに?(UEさんの場合)~退院へ

 今までの1年間の努力はなんだったんだろうとUEさんは思った。でも、いまさら考えても始まらないと、すぐに考えを変えた。

「仕方がない、このまま家に帰れるなら文句はない。鼻から入れられた管は気持ちのいいものではないが、吐き気もなくなり、のどが乾けば水を飲むこともできる」

「点滴を続ける必要がありそうだが、これも大したことではない。これなら、家に帰ってもなんとかなる。早く家に帰してもらおう」

 すぐにご主人が病院に呼ばれ、退院後に家でどのような介護が必要かについて、話と実技の指導が行われた。UEさんは歩くことができたので、身の回りのことは自分で済ます。

 点滴の管理と鼻から入れた管から出る胃の内容物の処理をご主人が任された。点滴用の針は刺したままになっている。途中に点滴の管を抜き差しできる部分があり、そこに点滴からの管をつなぐこととはずすことをやる。

 また、鼻から入れた管は貯液バッグにつながっているので、そこに貯まった液を捨てる。同時に、口から入った水分の量と管から排泄された量を記録する。さらに、痛みを抑えるためにフェンタニルという麻薬性鎮痛剤が使われていた。これは貼り薬で、1日1回貼り替える。

 これらの説明が終わると、退院が決まった。ご主人はケアマネジャーに連絡を取り、介護用ベッドを整えた。そして、退院後の診察は当院で引き受けることになり、退院の翌日に訪問して点滴を継続することにした

*このブログが「がんになって分かったこと~さまざまながんの素顔と元気な患者たち」(文芸社)という本になっています。読んでみてください。

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