どうして私が胃がんに?(UEさんの場合)~UEさんの決心

 確かにUEさんもご主人も同じことのくり返しが続くだけで、なにもよくならない生活に疲れていた。

 そして今回の出来事でなによりもUEさんは、胃の中に管を入れて置かざるをえない自分の状態がよくなることはないと思い知らされた。

 UEさんは思った。

「私のために尽くしてくれるのは本当にうれしいが、そのために主人は母親とも言い争いをするような状態になっている。間違いなく、かなり疲れているようだ」

「私がこれ以上よくはならないのに、このまま家にいると主人のほうが参ってしまう。私が家にいようとするのは、私のわがままだ」

「私が家にいるために、主人だけでなくほかの家族にもどれだけ負担になっているのかがよく分かった。これ以上みんなに迷惑をかけたくない。私は病院に戻るべきだ」

「病院に行くなら、最後の力が残っている今しかない。今すぐに、介護タクシーを呼んで病院に連れて行ってもらおう.でも、主人に自分が入院するとは言えない」

 そして、UEさんはつぎのようにご主人に言った。

「お願いがあるの。今すぐに介護タクシーを呼んで、病院へ連れてって。病院のソーシャルワーカーに相談したいことがあるの」

 ご主人は「どうして」と思ったが、UEさんが望むことならばしょうがないと考えて理由を聞くことはせず、すぐにケアマネジャーに連絡して介護タクシーを呼んでもらった。

 UEさんは、タクシーに乗っても思いつめた表情のまま、ご主人に対してまったく口を開かなかった。

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