肝転移のある直腸がん(CBさんの場合)~市の窓口へ

 久しぶりに家に戻ると、CBさんは吐き気がすると言ってトイレへ駆け込んだ。

 CBさんは言った。

「吐きそうだけど、なにも出なかったよ。とにかく少し気持ちが悪い。久しぶりの車の運転で、疲れたのかな」

 CBさんの奥さんは吐き気止めを渡しながら言った。

「そうよ、疲れたんだわ。私が車の運転できればいいのに、そうじゃないからしょうがないわよね。先生は、抗がん剤の治療はくりかえすうちに副作用がひどくなるとも言ってたし。食事の前に飲むという吐き気止めを、飲んだらいいんじゃないの?これ飲んでみて」

 CBさんは答えた。

「いまはいいよ。少し横になって休むよ。それでだめだったら飲んでみる」

 CBさんの奥さんは言った。

「じゃあ、薬はここに置くわよ」

 そう言って、錠剤と水の入ったコップをCBさんのそばに置き、奥さんはすぐに市の窓口に向かった。

 市の窓口ではすぐに対応してくれた。手続きは簡単だった。相談室で聞いたとおり、最終的な支払額は8万円程度ですみそうだ。CBさんの奥さんは、やっと胸をなでおろした。

「8万円でも大変だけど、毎月20万円じゃ、それこそ財産がなくなっちゃう。まあ、本当によかった」

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