肝転移のある直腸がん(CBさんの場合)~手術の提案

 飲み薬の治療に変わってから3か月が経った頃、CTの写真を見ながら主治医が言った。

「CBさん、肝臓も直腸もずいぶんしこりが小さくなっています。肝臓の転移は8個ですね。これなら手術で取りきれる可能性があります。どうですか?」

 CBさんの奥さんは、主治医が転移と言ったのを聞いて、「いま、先生が肝臓の転移と言ったけど、肝臓は直腸がんの転移だったのか」と初めて気づいた。いままでCBさんの奥さんは、大腸がんと肝臓がんが別々にできていると思っていたのだ。

「先生、主人は大腸がんと肝臓がんの二種類のがんができていたんじゃなかったんですか?」

 主治医は、「またうるさいことを聞いてきたな」と言わんばかりの顔をして言った。

「奥さん、私はいままで肝臓は直腸からの転移だと言い続けてきましたよ。一度も大腸がんと肝臓がんの二種類のがんができているなんて言ったことはありません」

「でも、どちらでもいいですよ。抗がん剤が効いてどちらも小さくなっているので、手術ができる状態になったということに違いはないですから。どうするか、お二人でよく考えてください」

 CBさんは答えた。

「分かりました。よく考えてみます」

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