肝転移のある直腸がんI(CBさんの場合)~心配症とノウテンキ(4)ハローワークへ

 その後、腹部に付いていたよけいなものがなくなって身軽になったCBさんは、こんどこそ本当に治ったと実感し、なにか仕事をしようと思った。

「ハローワークに行って来るよ」

 CBさんにそう言われた奥さんはびっくりして言った。

「えっ、がんの大手術のあと、まだ半年も経っていないのよ?自分のことが分かってないんじゃないの?」

 CBさんは落ち着いて言った。

「自分のことは自分がよく分かってる。もう治ったよ。大丈夫だ。力をつけるためにも、なにか仕事をしたほうがいい」

 奥さんは、たまらずまたサルビアの会に来て言った。

「夫は仕事をするって言うんです。そして、まわりに『がんを治した』って言いふらしてるんです。ノウテンキで困ります。大丈夫でしょうか?」

 私は答えた。

「大丈夫ですよ。ご主人がそう言うなら、おそらくまったく問題ない。それに、ご主人の言う通り、仕事をしてからだを動かした方が、からだにも気持ちにもいいですよ」

「確かに、奥さんの心配する通りご主人のがんは再発する可能性はありますが、それを心配するあまり、ご主人になにもさせないというのは間違いですよ」

「むしろなんでもやらせてあげるほうがいいです。もし再発したら、そのときにどうするかを考えればいい」

 奥さんは仕方なく納得したようだった。

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