自分はどうなってもいい~家での両親との話

 STさんのお宅へお邪魔すると、STさんは久しぶりにお風呂に入っているとのこと。母親が言った。

「息子は、診察は受けないと言ってましたが、そのうちにお風呂に入ると言い出しましたので、もしかすると体をきれいにして、先生の診察を受けようという気になったのかもしれません。お風呂から上がるまで待っていただけますか?」

 私が答えた。

「もちろん構いません。お待ちします」

 STさんが風呂から出るまでの間、母親から今までの経緯について、話を聞くことができた。

 STさんが優しい性格であること、反対に父親は厳しい人であること。会社を辞めて家に帰ってきたあと、自分が脳梗塞を患い、その看病と通院にSTさんが一生懸命当たってくれたこと。

 しかし、頬のこぶが大きくなるにつけて閉じこもりがひどくなり、最近の背中の痛がりようは尋常ではないこと。そして、急に痛む背中が曲がってしまったことなどだった。

 その話を聞いているうちに、STさんがお風呂から出るという。父親が来て言った。

「息子はお風呂から出るが、きょうは疲れたから二階に上がって休むと言っています。申し訳ありません」

 私は答えた。

「いえ、構いません。でも、せっかく来たんですから、せめて一言でもいいですから、息子さんと話をさせてもらえませんか?」

 父親は、またお風呂に戻った。そして、しばらくして帰って来て言った。

「とにかく、二階に上がりたいとのことです。ですので、私が付き添って二階に息子を上げます。そのあと先生から話かけてみてください」

 私は答えた。

「分かりました。そのようにします」

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