サルビアの会7月患者会(その1)

 今回は最初に食道がんの治療が終わったTJさんが入って来ました。そして言いました。

「先生にお借りした本を読み終えました。この本で先生が言いたかったのは、がんは治らないということですか?」

 この本とは、私が15年ほど前に出した「がんの治療をやめる時~家で迎える安らかな死」という本です。私が在宅で看取った何人かのがん患者について書いた本です。それを以前お貸ししていました。

 TJさんが続けます。

「がん患者にとってみると、この本は怖い本です。手遅れになると、どんな治療をやっても助からないということですからね」

 私が答えました。

「そうですね。手遅れになったがんは、残念ながら治りません」

「でも、私が一番言いたかったのは、がんは早期に発見すれば治せるし、それに手遅れになった場合は残念ながら助かりませんが、緩和医療によって苦しむことなく最期を迎えられますから、むしろ脳卒中や心筋梗塞などよりもいいと思うということです」

「つまり、がんは決して怖い病気ではないんだということを言いたかったんです」

「脳卒中で寝たきりになったり、心筋梗塞でポックリ逝ってしまったりとは違うんです。死ぬことが分かっても、ある程度の自分の時間が必ずあるんです」

「その時間を使って、いろいろなことを整理できます。これが、がんで最期というのも悪くないと思う理由です。むしろ、ある程度の年になったら、私はがんで死にたいと思うくらいです。確実に死ねますからね」

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    Excerpt: 毎月第3土曜日は 茨城県古河市のがん患者の会に参加。 「がんなんかに負けてたまるか」~がん患者会の人たち Weblog: 開業保健師  みんなの“自分らしさ”を大切に racked: 2015-07-21 08:24