サルビアの会10月家族会(その3)

 膵臓がん治療中のNZさんが私に聞いてきました。

「オプジーボはすい臓がんに効きますか?」

 私が答えました。

「そうですね。オプジーボは有名な薬になりましたが、残念ながらすべてのがんに効くわけではないんです」

「それに保険のきくがんも限られています。皮膚がんのメラノーマ、肺がんそれに胃がんなどです」

「でも、同じ肺がんでも小細胞がんというタイプは対象になりません」

 だれかが言いました。

「肺がんのIDさんがフォーラムで言ってましたね。私にはオプジーボが使えないって」

 私が答えました。

「そうです。肺がんだからといって、すぐにオプジーボが使えることにはなりません」

「IDさんは肺の小細胞がんだったので、オプジーブは使えなかったんです」

「でも、それ以外の肺がんならばオプジーボが使えるかというと、それもそうではありません」

「それはオプジーボがどうしてがん細胞をやっつけられるかという根本的なところにかかわることなんです」

「オプジーボは、まったく新しい効き方をする抗がん剤です」

「免疫療法剤と言われますが、特殊な抗がん剤です」

「それが、今回ノーベル賞をもらうことが決まった本庶先生の発見したことが発端でつくられた薬だからです」

「本庶先生がリンパ球に見つけた特殊なタンパク質がそれです」

「それがそもそも免疫反応を受け持つリンパ球の働きを調節する働きがあるものだということが分かったんです」

「そして、その働きを抑えてしまう力のあるがん細胞のあることも引き続いて分かりました」

「なので、そのがん細胞の働きを抑える薬をつくれば、リンパ球ががん細胞を攻撃するようにできると考えられました」

「そうしてつくられたのがオプジーボです。別名、免疫チェックポイント阻害剤と言います」

「つまり、がん細胞にリンパ球の働きを抑えるタンパクがあればオプジーボが効くということになります」

「反対に言えば、そのタンパクがないがん細胞にはオプジーボが効かないということになるわけです」

「それがオプジーボの効く条件です」

「残念ながら、すい臓がんにはオプジーボの効くタンパクは見つかっていません」

「じつは、私の兄が肺がんとすい臓がんの両方を患っていました」

「肺がんに対してということでオプジーボを使いました」

「肺がんには効果があったようですが、すい臓がんにはまったく効果がありませんでした」

「つまり、このようにオプジーボはすべてのがんに効く特効薬ではないんです」

 オプジーボが効くがんは確かにありますが、まだほんの一部のがんに限られています。

 それに、免疫にかかわる重大な副作用が起こる可能性も高いんです。

(つづく)

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