サルビアの会11月家族会(その1)

 膵臓がん治療中のNZさんが時間前に入ってきて言います。

「腫瘍マーカーが急に上がってしまったんです。CEAが一気に74を超えてしまいました」

「今までは20前後で、少し前は15くらいにまで下っていたんです」

「なので、来週にCTを撮り直して、それを見てから抗がん剤を飲み薬に替えようということになりそうです」

 検査結果を見せてもらうと、CEAは確かに8月まではずっと15から20くらいでした。

 それが、9月には40、そして10月には74まで上がっていました。確かに急な上がり方です。

 NZさんが言います。

「今の抗がん剤はジェムザールとアブラキサンです」

「これが効かなければ、もう点滴の治療はやらないって主治医は言うんです」

「これはセカンドオピニオンをもらってもいい状態でしょうか?」

 私が答えました。

「今点滴している抗がん剤は、今、膵臓がんに最も効果があるとされている治療法です」

「だいたいどんながんについても標準治療法が決められています」

「それに沿って治療することになりますから、どこに行っても治療法が変わることはないと思います」

「なので、抗がん剤治療のセカンドオピニオンをもらうことはあまり意味がないと思います」

「ただ、新しい薬の治験、つまり人体実験ですが、それがあるかどうかが問題になると思います」

「治験という形で治療をする病院は、大学病院やがんセンターなどです」

「NZさんが行きやすいところを選んで、紹介状を書いてもらえばいいと思います」

「でも、それはCTを撮ってからでいいと思いますよ」

 NZさんが言います。

「TS-1(ティーエスワン)という飲み薬の抗がん剤を使うと言うんですが、それは点滴よりも弱いということなんですか?」

 私が答えます。

「いや、そういうことではないですよ。TS-1は長く続けて飲んで効果の出る薬です」

「通常は、2ないし3週間飲んで1週間休むというやり方で続けます。通常、1から2年は続ける薬です」

「続けて飲んでいれば、必ず一定量の抗がん剤が体の中に入っていることになります」

「それでがん細胞が細胞分裂を起こした時に、それを抑えることができるわけです。そういう風に効く抗がん剤です」

 そこへ、同じ膵臓がん治療後のWSさんが来て言います。

「TS-1は通常どのくらい飲むんですか?」

「私は2年半飲んで、その頃から顔に湿疹ができてきてしまい、耐えられなくなって飲むのをやめました」

 私が答えました。

「手術後に飲むなら、1から2年間飲むのが普通です」

「それを2年半飲んだわけですから、もちろん、それで十分だと思います」

 WSさんは納得しましたが、NZさんの不安は解消されないようです。

(つづく)

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