サルビアの会11月家族会(その2)

 膵臓がん治療中のTKさんが言います。

「新聞で抗がん剤に循環器系の副作用が多いということを読みました」

「抗がん剤というと白血球と血小板の減少それに脱毛などがいつも話題になります」

「でも、それ以外の副作用もあるということを読んで気になったんです」

「自分が今使っているのはゲムシタビンとアブラキサンですが、そのあたりのことを詳しく知りたいです」

 私が答えます。

「抗がん剤はつぎつぎと新しいものができています」

「むかしはがん細胞の細胞分裂を抑えてがん細胞を殺す薬だけでした」

「ゲムシタビンとアブラキサンもこの薬です」

「細胞分裂を抑えるので、それによる副作用は正常細胞にも出てきます」

「それは正常なところで最も細胞分裂を行っているところに出ます」

「なので、骨髄や毛根の細胞分裂が抑えられてしまうんです」

「だから、骨髄でつくられる白血球や血小板が減ってしまうんです」

「毛根が障害されれば毛がぬけてしまいます」

「でも、新しい抗がん剤は細胞分裂を抑えるのではなく、細胞の増殖に関わるさまざまな物質の働きを抑えるのです」

「最近ではがん細胞の成長や増殖に関係するいろいろな物質が解明されてきました」

「上皮成長因子とか、血管内皮増殖因子などと呼ばれるものがそれです」

「そして、それらの働きを抑える薬剤が開発されました」

「成長などに関わる物質は分子でできていますので、それらの薬剤を分子標的薬と呼びます」

「がん細胞の成長などに関わる分子の働きを抑える薬剤です」

「なので、今までの抗がん剤とはまったく違った副作用が出るんです」

「血管の新生を抑える薬は血管新生阻害剤と呼ばれます」

「がん細胞の成長に必要な栄養が新しくできるのを抑えてがん細胞が育つのを抑える薬です」

「副作用は正常な血管にも出ます」

「正常血管も障害されて出血しやすくなったり、血栓ができたり、あるいは血圧が高くなったりすることがあります」

「腎臓は血管のかたまりですから、腎障害を起こす可能性もあります」

「こういう風に今までの抗がん剤と違う副作用が出る可能性があるんです」

(つづく)

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