サルビアの会1月患者会(その4)

 卵巣がん治療中のKHさんが言います。

「アバスチン単独の治療が始まりました。2回目が終わったところです」

「今までの治療は問題なかったんですが、アバスチン単独で治療を始めてから肝機能と腎機能の数値が悪くなってるんです」

「これはどういうことなんでしょうか?」

 KHさんはかなり不安そうです。

 私に検査結果を見せてくれました。

 それを見ると、確かに前回の検査結果から肝臓と腎臓の数値が正常範囲を少し飛び出しています。

 ただ、それほど大きくはずれているわけではありません。

 私が言いました。

「確かに少し正常範囲を超えていますが、これで特別心配しなくちゃならないことはないですよ」

「このまま様子を見て行っていい状態です」

「どんどん数値が上がってしまうようならば問題ですが、今までの数値の変化を見ると、それほど心配する必要のない状態だと思いますよ」

「つぎの検査結果を見てから、また考えればいいと思います」

 アバスチンという抗がん剤は分子標的治療薬のひとつです。

 がん細胞に栄養を供給する血管の増殖に関わる分子の働きを抑えます。

 栄養を運ぶ血管が増えないようにして癌細胞を兵糧攻めにする薬剤です。

 難しく言うと、血管の中の内皮細胞の増殖を抑えるんです。

 これは正常な血管にも作用しますから、副作用も血管に関係するものが主なものです。

 出血や梗塞です。そして、高血圧になることもあります。

 また、消化管にあながあくこともあります。

 もちろん、白血球や血小板が減ることもあります。

 そして肝臓や腎臓に悪影響をおよぼすことも。

 KHさんにはアバスチンのふつうの副作用が出ているだけだと思います。

 このまま治療を続けて様子を見て行けばいいと思います。

(1月患者会終わり)

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