サルビアの会4月患者会(その1)

 3月は休みましたので、2か月ぶりです。

 久しぶりにスキルス胃がん手術後17年が経ったUDさんが来ました。そして言います。

「62歳の兄が大腸がんでした。おととい手術を受けたんです」

「でも、がんを切り取ることはできずに、バイパスだけをつくって終わりました」

「兄は糖尿病だったんです。ヘモグロビンA1cが9%以上になっていたんですが、飲み薬だけで治療を受けていました」

「もっときちんと治療をしてもらったほうがいいんじゃないのって言いましたが、兄は大丈夫だと言うばかりでした」

「でも、突然貧血があると言われて特別な治療の説明もなかったので、さすがに兄も心配になって西南医療センターに行ったんです」

「そして検査を受けて大腸がんが見つかったんです」

「横行結腸にできていて、すでに肝臓に転移もあり、十二指腸にもくっついていて手術で取り切るのは難しいと言われてしまいました」

「なので、手術はがんのあるところを食べたものが通らずに済むようにするバイパス手術だけでした」

「来週退院の予定です。その時に、これからどうするかが話される予定です」

 UDさんが続けます。

「兄は農業の家を継いでいるんですが、独身なんです」

「がんと言われて、手術で取り切るのは無理といわれてしまい、あきらめ気味です」

「財産はみんな寄付してしまおうなんて言ってるんです」

「私は兄に頑張ってもらいたいです」

「だから、財産を寄付するんではなくて、自分のがんの治療のために使ってもらいたいんです」

「独身なので、だれかのために頑張るって気持ちにならないようなんです」

「私は胃がんの手術を受けて17年になりますが、手術を受けた直後はなんとしてでも死ぬわけにはいかないって頑張りました」

「家族のためです。家族がいるってことが励みでした」

「ところが兄は独身です。兄にとっては、私たち兄弟がいるだけなんです」

「私たち女性はみんな結婚して家を出てしまっていますから、兄の気持ちではもう家族ではありません」

「だから、私たちのために頑張るって気持ちにはならないんです」

(つづく)

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