サルビアの会10月家族会(その3)

 ご主人を大腸がんで看取ってから15年以上になるKNさんが言います。

「最近、私は自分が生きてる意味はないってつくづく思うんです」

「とんちんかんなことをやってばかりなんです」

「この前、イスに座りそこねて頭をぶつけて、頭を切ってしまいました」

「大出血でした。隣の友達が救急車を呼んでくれたんです。それで何針も縫ってもらうことになりました」

 KNさんが続けます。

「仕事をしてて手を休めようとしたんです」

「それで座ったんですが、そこにあると思っていたイスがなかったんです」

「それで思いっきり尻もちをついたんです」

「頭を打ち付けました。大きなキズができました。それで大出血です」

「あわてて隣の家に飛び込みました」

「休みの日だったので、ここは開いていませんから、救急患者を診てくれる病院へ運んでもらったんです」

 思い込みですね。イスがあると思い込んでいただけで、実際にはなかった。

 でも、それはだれでもあることです。それで生きている意味がなくなる理由になんかなりませんよね。

 KNさん、元気にもっともっと長生きしてください。 

 卵巣がん治療中のKHさんが言います。

「いままで3か月ごとにCTを撮って経過を見てもらってきました」

「でも、今度主治医が変わって6か月毎に撮ればいいと言われました。本当に大丈夫なんでしょうか?」

 私が答えました。

「腫瘍マーカーも変わりなく、今までのCTでも変わりがなかったわけですから、それでいいと思いますよ」

「だれでも、それまでやってきたことが減らされると不安になると思います」

「とくに治療をやめる時には、一番不安になると思います。検査も同じですよね」

「今までよりも回数が減るわけですから、その間に悪くなったりしたら大変だと思うわけですね」

「でも、実際には悪くなることはないだろうということで回数を減らすわけです」

「人間の気持ちは不思議ですね。本当は喜ばなくちゃならないはずなのに、反対に心配になってしまう」

「でも、この不安は仕方がないでしょう。そのうちになんとかなると思います。時間がかかります」

「胃がんの術後3年半も抗がん剤を飲み続けたUDさんも、やめる時には不安でしょうがなかった」

「でも、15年以上経った今では、なんのこともありません」

「今はお兄さんのことで頭がいっぱいです。そういうものなんです」

 大腸がん再発を治療中のOMさんが言います。

「私はまだずっと続けて様子を見て行かなくちゃあならないので、3か月ごとのCTをMRIに変えることになりました」

「CTだと放射線の被ばくが問題だということでした」

「MRIならば、その心配がないということでした」

「私の場合はまだまだ続けて検査が必要になるんです」

 治療を止める人と続ける人、それぞれにさまざまな思いがあります。

(10月家族会終わり)

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