サルビアの会11月患者会(その3)

 IKさんが続けます。

「でも、今朝3000歩歩きました。スニーカーが軽くていいです」

「重い靴はつま先がひっかかってしまう。転びそうになります」

「大分体力も落ちたようです。髪の毛も抜け始めました。これはいつまで続くんですか?」

 みんなが答えます。

「抗がん剤治療を受けている間は仕方ないです。わたしたちも抜けました」

「でも、みんなこんな風に今は元通りの髪になってますよ」

 IKさんが言います。

「そうなんですか。みなさんトンネルをくぐって来たんですね?」

「病院にいると安心ですよね。でも、入院なんかさせてくれません」

「家にいると不安で、新聞も本も読む気になりません。テレビさえ見る気が起きないんです」

「これはたしかに気持ちの問題ですね」

「がんセンターに行けば手術をしてもらえると思っていた、その期待が完全に裏切られた」

「それで落ち込んでいるんだと思います。それがよく分かりました」

「それと、私はMRの検査が恐しくてダメなんです」

「暗いところで長時間恐ろしい音を聞きながら閉じ込められているのがたまりません」

「検査途中で臨時停止のボタンを押してしまいました」

「そしたら、先生が飛んで来て『これは治療の一環です。これをやらないと治療が終わりません」

「これから、この検査をやる時にはあと何分と時間を知らせることにします。そうすれば我慢ができるでしょう』と言うんです」

「仕方なく検査をやり終えました。でも、MRの検査だけは受けたくありません」

「MRをやらなければならないと思っただけで、気が滅入っちゃいます」

「こんなことを考えると、やはり、私の気持ちの問題ですね」

「これはなんとかしないといけません」

「食べ物の塩味は分かりませんが、炭酸水はうまい。うまいと感じます」

「うまいと思えるものがあるということはいいことですよね」

 みんなが言います。

「そうですよ。そうして食べられるんだから、たいしたことはない」

「IKさんは元気です。3000歩も歩けたなんてたいしたものです」

 IKさんの顔つきが最初に入って来た時とは比べものにならないくらい明るくなって来ました。

(11月患者会終わり)

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